本日は、終身医療保険は本当に損なのかどうかを解説していきます。
インターネットや書籍では、「医療保険は不要!」という意見が多いと思いますが、両方の意見から解説しています。
ぜひご覧ください。
医療保険は不要という意見
理由:支払った保険料の元を取れる可能性が非常に低いため
一般的な民間生命保険会社で終身医療保険に入ると、下記のような内容となります。
・入院給付(怪我):10,000円/日(1~120日目)
・入院給付(病気):10,000円/日(1~120日目)
・手術給付(入院中):10万円
・手術給付(日帰り):2.5万円
・保障期間:終身
この保障に対して、支払い保険料は下記の通りです。
・20歳から加入:1,800円/月
・30歳から加入:2,220円/月
・40歳から加入:3,010円/月
・50歳から加入:4,390円/月
この保険料を、仮に80歳まで支払ったと仮定した場合、下記の総支払額となります。
・20歳から加入:1,296,000円(=60年間×1,800円/月)
・30歳から加入:1,332,000円(=50年間×2,220円/月)
・40歳から加入:1,444,800円(=40年間×3,010円/月)
・50歳から加入:1,580,400円(=30年間×4,390円/月)
約130~160万円の支払いとなりますね。
ですので、2週間の入院+1回の手術という治療を、人生において6~7回程度行えば元が取れる、という計算です。
なかなか元を取るのは難しそうですね。
このように見ると、終身医療保険は損をする確率が高い商品と言えます。
保険の本来の目的は、元を取ることではなく、持ち資産で支払えない緊急時のリスクヘッジである
そもそも保険の目的は、払った保険料の元を取ることではありません。
持ち資産で支払えないような緊急事態に対して、保険が代わりにお金を払ってくれるというリスクヘッジが主な目的です。
例えば自動車で他人をはねてしまったとき、数億円規模の損害賠償を支払わなければいけない場合があり、持ち資産で支払いことは困難ですので、ほとんどの人は自動車保険に入りますよね。
とは言え、医療費で大きな出費になるケースは稀である
ただし、医療保険でカバーするような医療費(入院や手術の費用)の場合、公的医療保険制度のおかげで自己負担するお金はかなり少ないです。
公的医療保険制度が使えれば3割負担ですし、高額療養費制度を使えば自己負担が10万円を切ることも多いです。
このような医療費を持ち資産で出せない場合は医療保険は必須ですし、出せるのであれば医療保険は無くてもよいものかと思います。
医療保険に入った方が良いという意見
では、持ち資産で医療費が出せるといった場合においても、医療保険に入らないことのデメリットをご紹介します。
経済的合理性を元に意見を考えると加入しないという結論になりますが、その他の参考意見としてご覧ください。
理由①:そもそも医療費用の貯蓄ができないため
「医療保険は元を取れる確率が低く損だ!」という場合には、医療保険に支払っていたであろう保険料分を貯蓄している必要があります。
しかし、心理学的にも人はお金があるとついつい消費に回してしまうものです。
この記事を読んでいる人の中に、月2,000~3,000円程度を、医療保険の保険料の代わりに医療費貯金をしているという方はいらっしゃいますか?
正直私は行っていません。
医療費用の貯金箱だと思い、民間の医療保険に入っておくのは、1つの選択肢ではないかなと考えています。
理由②:病気や怪我をしてからだと医療保険に入りづらいため
よく聞く話ですが、病気や怪我をしてからだと医療保険に入りづらいです。
一般的に保険加入の際は、過去5年間の入院や手術の履歴や、1週間以上の薬を処方された履歴を報告する(=告知する)必要があります。
病気や怪我の内容や、加入する保険会社にも左右されますが、この内容次第で保険に加入できないという可能性があります。
実際に私の場合、心臓の持病を持っており、学生の頃に2度手術をしております。現在は完治していますが、当時は完治診断から5年以上立たないと、死亡保険や医療保険には入れないという状況でした。
このような状況になった際に、「なぜあのとき保険に入らなかったんだ。」、「なぜあのとき保険を解約してしまったんだ。」と思いそうであれば、医療保険に入った方が良いと思います。
理由③:ガンを患うと一生医療保険に入れない可能性が出てくるため
デメリット②と同様ですが、ガンを患うと医療保険に入れない可能性が出てきます。
ただし先程と違うのは、ガンの場合は完治から5年以上経っても、加入時の報告義務(=告知義務)がある保険会社が多いです。
そのため、加入する保険会社によって、ガンになったことがある人は、一生涯加入をお断り、というケースもあります。
可能性は低いですが、私の周りでも20代や30代でガンになった友人も数人いますので、後々後悔をすると思う人は、少額でも良いので加入しておくことをオススメします。
まとめ
まとめますと、先ず終身医療保険は経済的合理性の観点からは損をする可能性が高い商品ということになります。
ただし、実生活で医療費用の貯蓄をするのかどうか、気持ちの面で入った方が良いのか、という点で意見が分かれるところです。
個人的には、現在少額だけ加入しています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
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以下、関連記事です。
医療保険の選び方について解説しています。
ガン保険の選び方についても解説しています。
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